カテゴリー: 製造業のトリセツ

  • 初めて取引するその会社、本当に信頼できる?映画業界から学ぶバックグラウンドチェック術

    初めて取引するその会社、本当に信頼できる?映画業界から学ぶバックグラウンドチェック術

    新しい取引先から問い合わせが来たとき、ワクワクする一方で、こう考えたことはありませんか?
    「この会社、本当に信頼できるだろうか…」

    製造業では、一度の取引金額が数百万円単位になることも珍しくありません。もし相手の信頼性を見極めずに契約すれば、納期遅延や未払い、品質不良といった深刻なリスクを抱える可能性があります。

    実は私のいる映画・エンターテイメント業界でも、こうした信用確認=バックグラウンドチェックは欠かせません。肩書きや見た目だけでは本当の実力が分からず、虚構や誇張が日常的に飛び交う世界だからです。

    騙された方が悪い? 嘘が蔓延るエンタメの世界

    映画業界では「◯◯国際映画祭入賞」など華やかな肩書きが並んでいても、実際は地元の公民館レベルで小規模に開催されていたり、誰でも応募すれば入選できる場合があります。
    さらに、他人の作品を自分のポートフォリオとして提出してくるケースも珍しくありません。

    だからこそ、この業界では「信用できるかどうかは相手に委ねず、自分で裏を取る」のが鉄則です。過去に一緒に仕事をした人に直接連絡を取り、2名以上から評判を聞く“リファレンスチェック”が当たり前に行われています。

    製造業でも同じ発想が必要です。見た目や肩書きだけで判断せず、必ず実態を確認しましょう。

    実在確認の基本

    まずは、その会社が本当に存在しているかを確認します。
    インターネットと少しの時間があれば無料でできることが多く、相手に気づかれずに調べることも可能です。

    ・法人番号公表サイトや登記簿で正式登録の有無、所在地、代表者を確認

    ・住所をGoogleマップで検索し、工場や事務所の実在を目視でチェック

    ・バーチャルオフィスやレンタルオフィス登録の場合は要注意

    ・WHOIS検索でドメイン所有者情報を確認(法人名義かどうか)

    ・固定電話の有無や、電話応対の態度も信頼度の判断材料

    実績の真偽を見抜く

    華やかな実績ほど、真偽の確認が重要です。

    事例写真をGoogle画像検索にかけ、他社流用でないかチェック

    記載されている取引先に直接「実際に依頼したのか」を確認

    展示会出展や業界誌掲載は日付と継続性を確認

    有名人との写真や関係のない受賞歴で実績を誇張していないかも注意

    なりすまし防止のチェック

    実在企業を装った詐欺は少なくありません。

    メール送信ドメインと公式サイトのドメインが一致しているか確認

    SNSやプレスリリースと照合し、内容に矛盾がないか確認

    代表者・担当者の氏名で経歴や評判を検索

    経営状況・取引姿勢の確認

    実在しても、経営や運営が不安定では取引リスクがあります。

    帝国データバンクや東京商工リサーチの信用調査を利用

    業界内ネットワークから支払い遅延やトラブルの有無をヒアリング

    少額・短納期の試験発注で対応品質を見極める

    “国際感”に惑わされない

    「海外取引あり」「国際展示会出展」などは響きが良いですが、実態確認が必須です。

    海外展示会・コンテストの公式サイトで開催実績・条件を確認

    誰でも応募できるコンペや自己申告の受賞歴は慎重に評価

    ※中には、高額な審査料や商標使用料を払えばほぼ確実に賞を得られるものもあります。これ自体が悪いわけではなく、資金力やブランディング戦略の一部として理解した上で評価することが大切です。

    映画業界流・リファレンスチェック

    製造業でも、過去取引先からの「実際の対応はどうだったか」という生の声は有効です。現場によって規模や内容が大きく異なる映画業界では初めて一緒に仕事する方が非常に多く、この業界ではスタンダードになっているので、そういう問い合わせが来ても、持ちつ持たれつだし、ということで当然が如く対応します。ただ、知っている会社ならまだしも、知らない会社に突然、「貴社と過去に取引のあった〇〇会社さんと新しく取引を考えているのですが、その時の様子はどうでした?」なんてなかなか普通の業界は聞きにくいですよね。


    モノコンではこの映画業界のシステムを採用し、掲載には必ず取引先などからの推薦が2件以上必要。さらに取材時に現場確認を行い、実態を正しく掲載する体制を取っています。これは企業データベースに作るにはとても非効率的な様に思えますが、とても大事なことだと私たちは判断しています。「私たちが実際に見て確かめた正しい情報を全世界の皆様にお届けする」なので、今は取材が可能な新潟エリアに限定されてしまいますが、少しずつ拡大していこうと考えています。

    まとめ

    今回のチェック方法は、特別なスキルや費用をかけずにできる自己防衛策です。
    同時に、「あなた自身もこうしてチェックされている」可能性があることも忘れてはいけません。

    相手を見極めるだけでなく、自社の信用度を定期的に見直し、誰が見ても安心できる情報発信を行いましょう。
    信用は積み上げるのに時間がかかりますが、失うのは一瞬です。日々の透明性が最大のリスク回避策です。

  • 問い合わせへの返事が来ない原因はアナタに?初めてのメーカーとの取引で“信用ゼロ”から信頼を勝ち取る方法

    問い合わせへの返事が来ない原因はアナタに?初めてのメーカーとの取引で“信用ゼロ”から信頼を勝ち取る方法

    1. 返信が来ない理由は「信頼度不足」かもしれない

    メーカーに問い合わせを送ってから、待つこと数日。
    既読もなければ、返信もない。
    こんなとき、多くの人は「忙しいのかな」「案件が小さいから後回し?」と考えがちです。

    問い合わせの返答率が低い製造業の現実と、その対策


    しかし、理由はもっと根っこにあるかもしれません。

    それは——あなたやあなたの会社の「信頼度」が足りていないということ。

    ある地方メーカーの営業課長はこう話してくれました。

    「初めて聞く会社からの問い合わせだと、まず会社名で検索します。何も情報が出てこないと…やっぱり慎重になりますね」

    相手はあなたを知らない状態からスタートしています。だからこそ、最初の印象や情報の出し方がすべてを左右します。

    2. 初取引では相手はあなたを“信用ゼロ”で見ている

    新規取引は、まっさらな状態から始まります。
    どんなに誠実な気持ちでメールを書いても、実績も関係性もなければ、相手の中では「この会社は安全か?」という見極めが先に来ます。

    その第一歩が、バックグラウンドチェックです。

    会社名+所在地で検索

    会社名+代表者名で検索

    公式WebサイトやSNS、業界ポータルへの掲載を確認

    ネガティブな情報や悪評がないか調べる

    情報が出てこない状態は「存在感ゼロ」に等しい。
    最初の接点で信頼を失えば、その後のやり取りに進む前に可能性が閉ざされてしまいます。

    3. WebサイトとSNSが持つ“信用の見える化”効果

    私たちのマーケティングやクリエイティブ業界では、「公式Webサイトがない」「フリーメールでやり取りしている」企業は、ほぼ問題外とみなされます。それはサイトの有無自体が問題というよりも、「なぜ必要か」「ないことでどれだけ影響があるか」すら理解できない企業だと判断されるからです。
    つまり、サイトがないことは単なる設備不足ではなく、リテラシーの低さの象徴と見なされるのです。自分たちのことすら客観的に見えていないところにマーケティングなんてお願いできないですよね。

    一方、製造業では公式サイトを持たない会社もまだ珍しくありません。
    しかし近年は、取引先選定や信用判断においてWeb上の情報を重視する企業が確実に増えています。

    本音を言えば、サイトは絶対にあった方がいいです。
    とはいえ制作にはコストがかかりますし、すぐに準備できない場合もあります。
    そんなときは、無料でできるSNS発信で会社の存在感を積み上げるのも有効です。

    たとえば、新潟県内のある小さな金属加工会社は、公式サイトを持たずにInstagramを開設。
    製品の写真や加工風景、展示会の様子を週2〜3回投稿し続けました。
    半年後、「Instagramで見たのですが」と新規顧客から問い合わせが入り、地元大手メーカーとの取引につながったのです。
    発信の継続は、それ自体が“活動実績”として信用を積み上げる武器になる好例です。

    4. 自分の信頼度をセルフ診断

    問い合わせを送る前に、「自分は相手にどう見えているか?」を客観的に確認しましょう。

    チェックリスト

    ✅ 公式Webサイトに会社概要・所在地・連絡先が明記されている

    ✅ サイトやSNSが半年以上継続して更新されている

    ✅ 過去の事例や活動記録が見える

    ✅ 商工会議所や業界ポータルに掲載されている

    ⚠ SNSやWebが存在しない、または開設直後

    ⚠ 検索すると無関係な情報ばかり出てくる

    ⚠ ネガティブな口コミや記事が目立つ

    ⚠が多い場合は、まずこの部分を改善してから問い合わせる方が成果は出やすいです。

    5. 信頼度ゼロからでも返信をもらいやすくする5つの方法

    初めての取引でも「この会社なら大丈夫そうだ」と思わせるには、小さな工夫で十分効果が出ます。

    ① 情報を完全に提示する

    会社名・担当者名・役職・住所・電話番号、案件概要(数量・納期・仕様・用途)、予算感(幅でもOK)まで揃える。

    例:「【アルミ部品試作見積依頼】数量10個/納期○月○日希望/予算○○円以内」

    ② 公式情報を見せる

    公式サイトやSNSでの活動、展示会出展の記録など、積み上げてきた証拠を提示。昨日作ったSNSアカウントは逆効果。

    ③ 紹介を活用する

    共通の知人や取引先からの紹介は最強の信用ブースト。メール冒頭で明記すると効果的。

    ④ 案件の魅力を示す

    長期取引や量産の可能性など、相手に「優先したい」と思わせる将来性を添える。

    ⑤ 相手の得意分野に合わせる

    相手のWebや事例を確認し、自社案件とマッチしているか事前にチェック。

    6. 返信がないときの行動判断

    メール内容と信頼度を再確認

    相手が案件の優先度を下げている可能性を推測

    問い合わせ先の適合性を見直す

    それでもダメなら切り替える

    無反応のまま時間を浪費せず、条件に合う別の企業へ動くことも必要です。

    7. まとめ

    初めての会社に問い合わせるとき、相手はあなたを「信用ゼロ」から見ます。
    返信がない理由の一つは、案件や相手事情ではなく、あなた自身の信頼度不足かもしれません。

    だからこそ、

    情報を揃える

    ネット上で公式な存在感を示す

    紹介や実績を活用する

    この3つを意識するだけで、初取引でもメーカーからの返信率は格段に上がります。
    信用は一夜では作れません。コツコツ積み上げて、相手に「この会社なら安心」と思わせることが、最短の近道です。

    急いでいるときに問い合わせが来ないと中々フラストレーションが溜まります。その原因は、いろんなケースが考えられるのですが、まずは客観的に評価しやすい「自分の信用性」を確認し、問い合わせの返答率を上げた方が良いでしょう。

    この製造業における問い合わせ問題、双方にとってかなりの負担になってきているので、モノコンでもなんとか改善しようしているテーマであります。

  • 展示会初心者へ。異業種の映画監督が見た「M-tech」──製造業展示の演出力と成果の関係

    展示会初心者へ。異業種の映画監督が見た「M-tech」──製造業展示の演出力と成果の関係

    7月の東京ビッグサイト。
    広大な展示ホールに足を踏み入れた瞬間、熱気と機械油の匂いが混ざった空気が押し寄せてくる。壁一面に吊られた企業ロゴ、光沢を放つ金属部品、スーツ姿で名刺を握りしめた人々──ここは、日本の製造業の心臓部が一堂に会する舞台だ。

    私は普段、映画の撮影現場や映像の展示会に身を置く人間だ。だが、この日だけは異業種の“観客”として、この巨大な舞台に立っていた。数分も歩けば、製造業の展示会にも映画と同じ「演出」の概念が存在することに気づく。そして、その差は残酷なほどに結果に直結している。

    大手と中小の「演出格差」
    あるブースでは、まるでSF映画のワンシーンのような光と映像が出迎えてくれた。天井からのライティングは製品の曲面をなぞるように反射し、大型モニターには加工工程の映像が滑らかに流れる。人の流れは自然とそこへ吸い寄せられ、立ち止まる。立ち止まれば会話が始まり、会話は名刺交換へとつながる。

    一方、別のブースでは、折りたたみ机に製品とカタログがぽつんと置かれている。担当者は立っているが、表情は硬い。装飾はなく、説明パネルも最低限。来場者が視線を向けても、足を止める理由が見つからない。華やかなブースの隣で、この差は一層際立って見えた。

    「立ち寄る言い訳」がないブースの悲劇
    展示会は商談の場であると同時に、偶然の出会いの場でもある。
    しかし、多くのブースが「商談ありき」の構えをしてしまい、初めての来場者が足を踏み入れづらい空気をつくっている。やはり、誰もいないブースに、それも「あまりハッピーじゃない顔」で担当者がブースに仁王立ちしていると、まるで警備員のようで、少し入るのを躊躇してしまう。そんな時に彼らが、気軽にブースに立ち寄れる「言い訳」を用意することが非常に大事なのだ。その中でも一番効果的なのは知的好奇心をくすぐる手法ー「これは何ですか?」という会話を生む仕掛けを用意することである。

    例えば、動くデモ機や試作品の展示があれば、自然な会話のきっかけが生まれる。なぜなら、何かわからないことを知るという人間の欲求は人間の生存本能に刻まれた自然な行動(不明確なことを減らし、生存の確実性を高める)であり、人間が最も会話を始める際に有効なオープナーなのだ。もちろん、元々あなたの会社に興味があった人はそこから商談へと繋げていけば良いだろうし、また全く関係がないと思っていたその人との会話から意外な商談や協業が生まれることもある。この会話のきっかけは、あなたに話すことを許可するボーナスタイムだ。「すみません!少し話を聞いていただけませんか?」と道行く人を引き留めて、一方的に説明するのではなく、この「これは何なのか教えてください=喋ってください」という状態を作り出すことはプレゼンで非常に有効な手法である。その際に、しっかりと会社の魅力の紹介に繋げる動線をデザインしておく事が大事だ。「これは何?」という会話が生まれれば、何でも良いわけではない。ただ「面白かった」では勿体無い。しかし、机の上の静止した製品は、その一言すら引き出せない。何も物語が始まらない。

    そして、安易なノベルティ配布は逆効果にもなり得る。なぜなら、彼らの中ではモノをもらう事が目的なので、それを与えた時点で解決になってしまうからだ。よく、有名お菓子をエサに人を集めるブースがあり、私も「興味がるフリして」話を聞きに行ったが、そのブースがどこだったかはもう覚えてないない。目当てが“お菓子だけ”の人が増えれば、スタッフの時間と集中が奪われる。もしやるなら、配るモノ自体に「これは?」と思わせるような仕掛けと、会社の魅力PRへと繋ぐ動線を確保しよう。また、アンケート記入やSNSフォローなど、次につながる接点作りとセットで行うのも有効だ。

    ウェルカム対応でパイを広げる理由と価値
    展示会では、本命客に狙いを絞るあまり、“客じゃない”と判断した来場者を素通りしてしまうブースが多い。だが、それは展示会の可能性を半分放棄しているのと同じだ。本命の客だけを相手しようと、多くの時間を暇に過ごすよりは、そういった方々へのアプローチも考えておくことが展示会での成果に大きく関わるかもしれない。

    情報拡散者としての価値
     SNSや業界内ネットワークで情報は思わぬルートで広がる。異業種や学生でも、「面白かった」「対応が良かった」という印象は伝播し、間接的に本命の客に届く可能性がある。

    将来の顧客になる可能性
     今は購買権限を持たない来場者も、数年後には立場が変わる。新人社員が購買担当になったり、異業種の人が転職して顧客になることもある。

    潜在ニーズの掘り起こし
     来場者自身がまだ気づいていない課題(ペイン)を抱えている場合がある。雑談から「それ、弊社で解決できますよ」という発見につながることも珍しくない。

    ブースの活気が次の来場者を呼ぶ
     人が集まるブースは、それだけで周囲の興味を引く。立ち話やデモ体験をしている光景は、他の来場者を誘い込む無言の広告になる。

    率直なフィードバック
     購買意欲ゼロの来場者ほど、ブースの印象や説明の分かりやすさについて遠慮なく意見をくれる。それが改善のヒントになる。

    疲労した来場者に「最後の一押し」を
    来場者は広い会場を歩き続け、やがて集中力が切れる。「似たような製品はもう見た」と判断された瞬間、そのブースは視界から外れる。だからこそ、ひと目で差別化できる演出が必要だ。

    映像はその点で圧倒的に有効だ。大画面に映し出された迫力ある映像は、疲れた来場者の足を止め、言葉より早く情報を届ける。装飾の予算が限られていても、大きなモニターに良い映像を流すだけで空気は変わる。

    専門性と即答力
    もう一つ、強いブースの共通点がある。現場の職人や技術者が立っていることだ。彼らは製品の背景や工程を、その場で深く説明できる。もし人員の都合で職人が来られないなら、代わりに詳細な資料や動画を用意しておくべきだ。

    そして忘れてはならないのは、展示会後の対応だ。ブースで名刺を渡し、興味を持たれたとしても、公式サイトや資料が貧弱ならチャンスは消える。実際、私が担当しているいくつかの企業の会社サイトへのアクセス解析を分析していると、展示会後にその会社名で検索されている事が多い。名刺やパンフレットに書かれているサイトURLを直で打ち込まず(お目当ての会社への最短ルートを使わずに)、会社名を検索して、その検索結果から選択していくわけだ。サイトドメインが打ち込むのが面倒な人もいるだろう。もしかしたら、客観的な会社の評価を知りたいと、他のソースで会社を言及しているものを見たかたったのかもしれない。いずれにしろ、あなたの会社名で検索された時に上位に表示されるモノを注意深く監視しよう。あなたの会社名で、他の競合他社が表示されるという悪夢は意図せずに起きることもあるが、これを意図的にやっている企業も存在する。リアルで出会えたから安心ではない。展示会はゴールではなく、スタート地点なのだ。

    3つの展示会必勝ポイント(まとめ)
    「立ち寄る言い訳」をデザインせよ
     動くデモ機、試作品、大型映像などで第一印象から差別化し、偶然の会話を生み出す空間を作る。

    ウェルカム対応でパイを広げよ
     業界外や本命ではない来場者にも笑顔で接することで、情報拡散、将来の顧客化、潜在ニーズ発掘、ブース活性化、率直なフィードバックという複数の価値を得られる。

    展示会はゴールではなくスタート
     名刺交換後の検索や問い合わせを想定し、公式サイト・資料を整備。展示会後の接点維持が成果を左右する。

    展示会必勝チェックリスト(10項目)
    立ち寄る理由を用意する:動くデモ機、試作品、体験型展示など。

    ☑︎第一印象で差別化:通路からひと目で「他と違う」とわかる装飾や映像。

    ☑︎ウェルカム対応:業界外の人や学生にも笑顔で接する。

    ☑︎偶然の会話を誘発:製品に関する簡単な質問を促す仕掛け。

    ☑︎ノベルティは接点作りとセットで:アンケートやSNSフォローを条件に。

    ☑︎スタッフの配置と動線設計:死角をなくし、来場者を自然にブース奥へ誘導。

    ☑︎専門家の同席:現場の職人、もしくは深掘りに耐えられる人材。

    ☑︎高品質な映像活用:短時間で情報を届け、印象を残す。

    ☑︎アフターフォローの準備:展示会後すぐに見られる公式サイトや資料。

    ☑︎疲れた来場者への配慮:椅子や休憩要素、短時間で魅力が伝わるコンテンツ。

  • 問い合わせの返答率が低い製造業の現実と、その対策

    問い合わせの返答率が低い製造業の現実と、その対策

    「せっかく依頼を送ったのに、もう一週間も返信がない…」
    「メールで見積もりをお願いしたのに、音沙汰なし」

    こんな経験、製造業では決して珍しくありません。新しい企業に問い合わせをするときに限って、時間に追われていてよりストレスに感じてしまう話をよく聞きます。

    実はこれは、単なる怠慢や失礼ではなく、製造業の現場特有の環境や慣習が背景にある可能性があります。ということは、その実態と対策を理解しておくことで防げる可能性があるかもしれない、ということです。

    ここでは、その原因と対策、そして防げなかった場合の次の一手まで整理します。


    原因① 現場優先で問い合わせ対応が後回し

    製造業の多くの会社では、営業専任者がいないか、いても少人数です。
    問い合わせメールを確認するのは現場の作業者や経営者自身、というケースも多く、繁忙期はつい後回しにされがちです。
    結果、気づけば数日経過し、相手からの信頼を失うことになります。

    エピソード

    旋盤加工を得意とするA社は、繁忙期に大手メーカーから新規案件の問い合わせを受けたが、現場が納期対応に追われて確認は翌週に。すでに相手は別の業者に決めてしまっていた。

    防止策(問い合わせ側)

    • 初回メールで納期の目安や返答期限を明記
    • 電話など別ルートで並行確認
    • 相手の稼働状況を想定し、午前中や週明けに送信

    それでも起きた場合の動き

    返事が遅れても、すぐに電話で「返答が遅れてしまったこと」「まだ間に合う案件か」を確認。相手が他社に決めていた場合も、「今後似た案件があればぜひご連絡を」と前向きな接点を残す。


    原因② 問い合わせ内容が不明瞭

    図面の添付漏れや仕様が曖昧だと、相手は見積もり条件を確定できません。
    「条件がはっきりしない=仕事になる可能性が低い」と判断され、返信が後回しになる傾向があります。

    エピソード

    B社が問い合わせを受けた際、添付されたPDFは寸法が不完全で、材質も「鉄」とだけ記載。何度も質問する必要があるため、後回しにしたまま返事をしなかった。

    防止策(問い合わせ側)

    • 図面・仕様・数量・材質・希望納期を初回で完結させる
    • 不明点は「この条件で見積もり可否を判断してください」と明確化
    • ファイル形式やサイズにも注意(受信環境によっては開けない場合あり)

    それでも起きた場合の動き

    相手からの質問を待つのではなく、自ら追加情報を送付し、「改めてご検討いただけませんか」とフォローする。初回の不備を認め、迅速に埋めることで信頼回復につながる。


    原因③ 担当者が不信感を抱くケース

    製造業では、高額な設備や素材が絡むため、問い合わせ者が信頼できるかは重要視されます。
    会社のホームページがない、フリーメールを使用、会社住所や電話番号が記載されていないなどの場合、「本当に存在する会社か?」と疑われることがあります。

    エピソード

    C社は、Gmailアドレスからの単発発注依頼を受けたが、会社情報が一切不明。過去に同様のケースで未払いがあったため、返信を避けた。

    問い合わせへの返事が来ない原因はアナタに?初めてのメーカーとの取引で“信用ゼロ”から信頼を勝ち取る方法

    防止策(問い合わせ側)

    • 会社概要やURLを必ず記載
    • 個人の場合は実績やSNS、依頼背景を説明
    • 会社メールがない場合も、署名欄で信用情報を補う

    それでも起きた場合の動き

    「信用情報が不足しているのかもしれない」と考え、相手に自己紹介・事業内容・発注背景を補足送信。警戒心を解く姿勢を見せることで、信頼関係の第一歩になる。


    原因④ ミスマッチ案件の流入

    自社の設備や技術と全く合わない依頼が来ることは珍しくありません。
    守備範囲外だと、見積もりに時間をかける気になれず、そのまま放置されがちです。特にWeb経由の新規案件で多く発生します。

    エピソード

    アルミ専門のD社に、ステンレス厚板の切削依頼が届いた。完全に守備範囲外で、返信する気力が起きず放置。

    防止策(問い合わせ側)

    • 相手企業の得意分野を事前に調査
    • 依頼内容に適合している理由を明記
    • 守備範囲外でも協力企業を知っているかを尋ねる一文を加える

    それでも起きた場合の動き

    返答がなくても、似た技術を持つ企業に再依頼する。場合によっては業界団体や地域ネットワークに相談することで解決ルートが広がる。


    モノコンのアプローチ

    こうした問題は、各社が注意しても完全に防げるわけではありません。
    そこでモノコンでは以下の仕組みで、返答率向上ミスマッチ削減を実現します。
    • 完全紹介制掲載:掲載企業は信頼できる紹介元からの推薦必須
    • 双方向評価制度:企業も依頼者も互いに評価可能
    • 企業特性の客観評価:対応スピードや得意分野を事前に把握可能
    • 問い合わせフォームの情報精査:必要事項が不足している場合はモノコンがダブルチェックし、企業に事前共有

    結果として、信頼性の高いマッチングが可能になり、「返事が来ない」「そもそも不適合だった」という事態を大幅に減らせます。

    特に製造業ではウェブサイトすらない会社も珍しくないですが、モノコンではそういった会社はリストに入れない、もしくはそういった環境の導入をサポートしています。

    サイトがないだけで、技術的に素晴らしい会社はたくさんあるのでそういう会社が世の中に知られないまま衰退していくのはもったいないことです。


    まとめ

    問い合わせの返答率が低い背景には、製造業特有の現場事情信頼性判断の難しさがあります。
    依頼者としては、情報の完全性相手への配慮信頼情報の提示が基本。
    それでも対応が遅れたりミスマッチが起きる場合は、見切りをつけて次の選択を当たるか、ネットワークや第三者の介在が解決の鍵になります。

    モノコンは、新潟県内の製造業ネットワークと独自の評価システムを活用し、「確実に届く、正しい相手に届く」問い合わせ環境を提供します。
    もし「問い合わせが返ってこない問題」に悩んでいるなら、次の一手としてモノコンを選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。